2013年04月30日

NOT LONG, AT NIGHT

玉井夕海さん主演の、「NOT LONG,AT NIGHT 夜は長くない」
欲しかったのは しあわせよりも、希望。

熊本・天草・芦北を舞台に世界の目覚めを描く、ロードムービー!
第25回東京国際映画祭 出品作品

第一映劇での初回上映、観てきましたよ~face10

ロードムービーとは、主人公が旅を続けるなかで変貌し
自分を発見するという筋立ての映画の事だそうです



その存在自体が、映画にできる「本渡第一映劇」


映画は、熊本市内から知り合いの車にとっさに乗り込んで
行くとも、帰るとも区別がつかない精神状態の中
芦北から、上天草を経て牛深にたどり着いて終わります

化粧道具や、靴さえもその場に脱ぎ捨てて
盗んだ車を、免許取りたての主人公が走らせます
注ぐはずだった愛情は、突然行き場を失い
うつろな心そのままに、口紅は横にずれて
塗られたまま・・・

行く先々で、不思議な人たちと出会い
不思議な暗示をされ、不思議な誘導にあらがわず
走り続けます

毎夜毎夜、潜在意識を具現化した悪夢が
彼女のもとに寄り添います

天草のキレイな風景などいっさいありません
唯一、ラスト近くのハイヤ大橋だけが
絶望とも、希望とも取れる灯りを海面にまき散らす
その風景だけが、天草らしいでしょうか

あとは、虚無をうつろにさまよう主人公の
心象風景のように、白くグレーな色調で
景色は流れていきます

映画の内容は、抽象的で
解釈は、観た人ひとりひとりが違っていいそうです
商業ベースに乗った、製作費をバンバン使った
ハリウッド映画の対極にあるような映画です

見た後味は、決してスッキリしません
ですが、映画に深く向き合い
そして考え、いつまでも頭に残る映画です



上映後のトークショー
左から工藤真工さん(三角エコビレッジ サイハテ)真ん中、遠山監督
右が加藤笑平さん(出演者)佐伊津町「在郷美術館」主催者、芸術家

加藤笑平さんは、素のままで牛深のサバ節工場の労働者として
出演されています

その時来ていた、生活感たっぷりの破れかけの
グリーンのTシャツは、モノトーンが基調のこの映画にあって
数少ない生命力を放っていました

ふんどしを愛用する彼は、映画でも東京映画祭の
グリーンカーペットでも、そのスタイルを貫いたそうです

工藤さんは、進行も話もうまく
気になっていたシーンや、映画の内容を
うまく掘り下げてくれました

遠山監督は、御所浦の高校のドキュメンタリー風な映画を撮られ
次は、抽象的なロードムービーが撮りたかったところに
一つの失恋が、きっかけとなり、脚本を書いたそうです

5月1日(水)19:20の回上映後
AIKO3(Sugar Soul,KAM)×遠山監督
トークショーとミニライブ

上映は5月8日まで  


Posted by 原田鈑金塗装  at 00:41Comments(8)映画