さあ~コアなファンが、固唾を飲んで見守っている
ポルシェ356スピードスター レプリカ 
ヴィンテージ社製の全塗装
続きでございます




ようやく塗装ブースの中に
本体が入りました





メーターまわりです

当時の車は、インスツルメントパネル(インパネ)も
ボディと同じ、スチール(鉄)製
こちらはグラスファイバーですが
今の車は、通称ダッシュボードやグローブボックス呼ばれる
ABS樹脂に、うすいスポンジに人口皮革が張られています





後輪駆動の、後部エンジンなので
ポルシェは、ボンネットの中が
トランクルームであり、ガソリンの給油口も
ここにあります




ペーパー掛けをすると、ガソリンタンクの文字が
浮かび上がってきました
「Tankauto do Brasil」そのあとの番号は
電話番号でしょうか

ブラシル?英語じゃないようです
興味がわき、スマホで検索

ブラジルの自動車部品工場でした
ポルトガル語ですね




ブースの空調設備を稼働し
エアーダスターで、車体に残ったホコリを
丹念に飛ばします

タッククロスという、松ヤニをひたした
ガーゼで、パネルを拭いたら
いよいよ下塗りの開始!




塗装の基本として、一回目の塗装は
薄~く塗る、通称「バラ吹き」と呼ばれる作業

下地の黒が透けて見えるくらいに塗ります
セメダイン等の接着剤と同じく、薄く塗った方が
密着力が上がるのと、いきなり厚く塗ると
シンナーが旧塗膜を侵し、後々のトラブルになるのを
防ぐためです




下塗りをすると、今まで隠れていた
ひび割れ(クラック)や、巣穴と呼ばれる
ピンホールが見えてきました





宇宙人にも似た、フロントマスク



キュートでセクシーなヒップ、いやテール(笑)


単一色に塗り上げると、その神々しいまでの
完璧なボディラインが見えてくる



サフェーサーを塗り終え、表面が乾かないうちに
黒をパラパラと吹きかけます

「えっ!?何してんの?黒に戻すの??」



ポルシェ 356 スピードスターレプリカの衝撃画像!!

この角度で見ると、まるでゴマフアザラシ!! 



世界の名車に、なんという暴挙をって
怒らないで下さい!今回の塗装はかつて塗った
豹柄塗装に対抗して、アザラシ塗装!!

・・・・・ではありません








まずは320番のペーパーを、スイングサンダーで
掛けていきます
黒く残っているのは、まだ掛けていないところです




このサンダー、手を水平に左右に動かす動作と
同じ動きをするので、平らにサンディングする事に
大変優れています





こちらドアですが、一見きれいにペーパー掛けされてる
ように見えるでしょ?



ところがよく見ると、研ぎ残ってるところが・・・
まわりより、ほんの数ミクロン凹んでいるんです
パネルの凹凸を、より視覚化するために
ガイドコートと呼ばれる、捨て吹きです







次に、ドライガイドコートを表面に塗り
1000番の水研ぎペーパーで、手で研ぎます








塗ったサフェーサー3kgの、半分近くは削ってしまうのかなぁ~
もったいない話ですが、良い仕上がりのためには
必要な事です



先にボンネットの内側を、艶消しの黒で塗ります



ただの黒一色だと、色に深みが出ないので
ディープブラック、ブルーブラックの黒の原色
2種類を混ぜ、すこ~し白と青みを出すために
赤を入れます

普通赤みを出すのなら、赤を足しますよね
黒だけは、補色と呼ばれる反対色が出るのです
赤の補色は青、赤みは黒に取り込まれ
反対色の青みが残る理屈です

黄色っぽくしたいときは、緑
緑っぽくしたいときは、黄色
面白いですね

好きな子の気を引くために、いたずらしちゃう
そんな感じでしょうか




トランクルームは、これで完了!
ここまでは順調でした

しかし作業は、ここから先の見えない
底なし沼に突入することになる事を
原鈑は知る由もなかった・・・

















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 08:55Comments(0)塗装