2018年11月03日

エル カミノ 祝福

「ボクの愛車を、きれいに仕上げて
結婚式の前撮りで、彼女と愛車と写りたいんです!」

お客さんのお申し出に

「よっしゃ、任せとけ!」
バンと腹ではなく、胸を打つ原鈑

「して、前撮りはいつなんだい?」

「10日後です!」

「通常の事故車修理も忙しいけど
10日もあれば、何とか全塗装出来るやろ~」

そう答えた後に、工場に持ち込まれた車は・・・


バンバ バーーーン!!

エルカミーノ塗装前

シボレー エルカミーノ 1969年式!!

エルカミーノ塗装前 後ろ

塗装ハゲハゲ・・・



ところどころ、サビサビ・・・



車の色が、映ったかのように
みるみる顔が青ざめる原鈑

「これはいくらなんでもムリ・・・」
そう言おうとした矢先
「いや~楽しみです!人生の晴れ舞台!!」
天にも昇るような笑顔で、言った言葉に
地獄の底に突き落とされる原鈑・・・

「まっ・・・まっかせなさい・・・」
ひきつった笑顔を作るのが精いっぱいだった・・・






とにかくやらねば!
逝っちゃってる塗装と、サビを取れば
当然こうなります!

全剥離、鉄板むき出し状態!!
原鈑も闘志をむき出しで残業また残業!
ここまで2日間




比較的、鉄板の歪みがでかいところは
厚盛り用の鈑金パテをつけ




後は細かい歪みを拾うと・・・
ハイ!こうなります!

全面パテ!
ここまでで3日間




付けたパテは、研ぎ落して
まっすぐにしなければいけません

削っちゃ~またパテをつけ
つけたら、また削る

この作業が一番手間がいります
ここまでで6日間!




ようやく塗装ブースに入れ
マスキングをして
下塗りをします




あまりにでかすぎるので
ボンネットは外して、別に作業します





下塗りのグレーを吹いて
黒のラッカースプレーで
ガイドコートを吹きます




それを目の細かいサンドペーパーで
黒が見えなくなるまで、研ぎ落します

ここまでで8日間




これでいよいよ、本塗りです!
まずはベースのターコイズブルーを
全体、5~6回吹いて色を決めます




これで一回目



色が決まったら、ブルーの
カラークリヤーを吹きます




色に深みが出てきたでしょ



それから仕上げのクリヤーを塗って
塗装終了!ここまで9日間




メッキを施されたドアミラー
コンパウンドで磨きあげれば
これだけ蘇ります!




最終日の10日目に、部品つけと
磨き仕上げ




どうです、クールにキメてという
オーナーの希望に沿った
ロカビリー臭バリバリの、60sCar




新婚さん、二人の笑顔と共に
この車も、いつまでも輝いていて欲しいな~




出来上がった車を前に、うっとりしている
原鈑の背後に、妻のMONさんの影

「手間がかかった分、しっかり料金は
もらえるんだろうな?」

「いや、その~ご祝儀価格です・・・」
たじたじで答える原鈑

オーナーの新婚さん、お二人
いつまでも深い愛で、結ばれて下さいね

現在の原鈑に対する妻の愛は
この車の色のように

うすい愛(あい)色です・・・




















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 00:41Comments(11)塗装

2018年08月10日

やたい劇場開演!

最近、ありがたいことに熊本市内や玉名からも
お仕事の依頼を頂きます。

わざわざ、天草まで持ち込んでいただいた車が
こちらのデリバリー車、株式会社ビートアップ様が
全国チェーン展開されている「やたい劇場」
ホームページ→コチラ

今までのデリバリーの常識をひっくり返し
店舗側、おもにパチンコ屋さんから出店料を頂き
格安で商品を販売し、安いからお客さんも集まるという
三方一両損ならぬ、三方一両得!
いわゆるWin・Win・Winで、みんなニコニコという
ビジネス展開をされています。





今までは、こんな感じで出展されていた手間を
看板設置など、簡素化したいので
車体に入れ込んで欲しいとの要望を受け
作業開始でございます。


やたい劇場
やたい劇場様提供

まずは大きく看板の文字入れ
白抜き、色文字を交互にいれて
お祭り気分を出します。

くり抜いて、はがす方を間違えたら大変です(笑)




続いてタコを入れます。
タコを配置する場所や数
大小をどうするかバランスを見つつ
中古車なので、もともとあった傷も
隠れるようにすれば、一石二鳥
いや、一坪二タコ!




せっかくなんで、切り抜いたタコで
タコパック!

「なにやってんだ、このタコ!!」
妻の怒声が飛んできます





車の後部を構想中の妻のところに
母親が本物のタコを持って乱入!!





「ほれ!これを見て参考にせんか、ほれぇ!!」
妻「うえええぇぇぇ!!」

親子ではじめた、タコ漫才劇場!
なにやってんだかまったく・・・(^_^;)




「ひゃっひゃっひゃっ!
タコって、こんなかんじかニャ~」




運転席側、塗装完了です!
看板文字の色の配色も、気を使いますね~




もくもくと仕事を続ける妻をしり目に・・・




マスキングをはがした色つきテープで
顔を作ってみました。




へぇ~~

うへ~顔

ドヤ顔!

ドヤ顔

タコオヤジ!

タコオヤジ

ここまでやっていると、背後に恐ろしい殺気が・・・
「なにやっとるんじゃ、ゴラァー!!」

劇場ならぬ激情をあらわにする妻に
原鈑とっさに言いました

「わあ~!タコイカとイカタコ
ホントにいるのはどっち?」

妻「知るかゴラァー!遊んどらんで
仕事せんか~~!!」

タコ殴りにされました・・・





お店としての表になる、助手席側は
こんな感じ

紅白の幕をイメージした
縞模様を入れます。



赤は隠ぺい力が弱いので
いっかい真っ白に塗ります。




赤を塗って、マスキングをはがすと
こんな感じに




車体後部、キャラクターの女の子と
原鈑の共通点、それはどちらも「無口」です!




車体後部完成!
浴衣ガール、キュートに仕上がりました!!


やたい劇場デリバリー車右側

完成画像、右側

やたい劇場デリバリー車左側

商品を受け渡しする左側

やたい劇場デリバリー車後

今回も、妻の協力を仰ぎ
無事納車いたしました。

原鈑、妻に打たれれば打たれるほど
舞い上がっていくのです。

なぜかって?タコだけに
逆風で、どんどん天に昇るでしょう・・・・・・・・・・・

暑い夏、皆さんにも「ご多幸」を!!

  


Posted by 原田鈑金塗装  at 18:29Comments(5)エアブラシ塗装

2018年01月17日

抹茶ミルクの作り方

城河原にある、楽園珈琲さんのカフェ・ラテ
香り立つ珈琲と、ミルク本来の甘みが
エスプレッソの苦みをひき立てます。





近頃は個性的なカラーの車も、増えてきましたね。
画像は、ダイハツのカラーコード G42 
リーフグリーンという色です。




車には、新車時に塗られた塗装色番号があります。
車の修理屋さんが使っている、塗料の各メーカーが
その配合表を出しているのですが、新車で新品の塗料なら
配合表通り作れば、ほぼ同じ色が出ます。

ところが各生産工場や年代で、同じ色番号でも
微妙に違っていたり、経年劣化で車も年と共に
色あせしてきます。

使っている塗料も、シンナーが抜け
濃度が変わってきます。

当然、データ通り配合しても
同じ色にはなりません。
そこで我々、職人の出番になるのです。




色のバラつき見本をあて、近いものを選びます。
どれが近いですか?

一番上は、少し青っぽいし
二番目は、黄色っぽいですね。
上から3番目を選びました。

この配合表を、調べるわけですが
さて、何色と何色が入っているでしょう。

まずは緑




選んだ原色は、ディープグリーン
真ん中が原色だけの色。

左が、白を70%混ぜて薄めた色
右が、メタリックを70%混ぜた場合の発色です。

そして黄色




真ん中の、オキサイドエローという
ちょっと濁った、おうど色ですね。

あとは白、そしてなんと
黒も入っているんですよ!




真ん中の、チンチングブラック
左右の違いを見ると分かるように
薄めると、上の色は黄色味がでてますが
関西ペイントのチンチングブラックは
青味が出るんです。

なんであえて、濁る黒を入れるかというと
塩に対して砂糖や、その逆の隠し味的なものと同じ
色に深みが出るんです。
それときれいすぎる色は、退色しやすいんですよ。

商用車によく見られる、白い車も
真っ白一色じゃないんですよ、黒や黄色
そして青や緑もわずかに入ってます。

さてこのお抹茶みたいな車の色

緑、黄色、白、黒
その割合は多い順に何色でしょう?

一番多く入っている色は、約70%です
そして20パーセント、5パーセント
5パーセント

正解は・・・・・・・





黄色が7割!、白2割、黒そして緑色はなんと
一番少ないんですね~





塗っていないバンパーと、調色して塗ったボディの色
ほぼ同じでしょ?

「今日も、いい仕事をしたな~」
満足げに、車を眺める原鈑

「この車見てたら、抹茶アイス食べたくなった!
MONさん、ハーゲンダッツの抹茶買ってきて~」

MONさん「買って来るけど、あげないよ」
原鈑「えっ!??なんで?」

MONさん「次の車の納期と掛けまして~
買ってきたアイスを、自分で食べる妻と解きます」

原鈑「そのココロは?」

MONさん「どちらも、まっちゃ くれないでしょう」


原鈑「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」






抹茶と珈琲と人生に、苦味は欠かせないのだ・・・・













  


Posted by 原田鈑金塗装  at 09:51Comments(6)塗装


「連休前まで、出来ますかね?」
よかよかダイビングの中野さんが
優しい声ながら、鋭く原鈑を追い詰める

さすがダイバーだ、俺の潜在意識深くまで
潜り込んでくるぜ・・・

この車だけでなく、通常の事故車の修理も
連休前までに、仕上げなければなりません

しかし繁忙期の連休に、車が使えないなんて事になったら
よかよかさんに、二度と浮上することのない
体験ダイビングを、装備なしで強制させられるかもしれない

なんとしても仕上げなければ!





右側のサンゴの絵が、どうにも難しくて
上手くいかないと悩む、妻

アクセントに魚をオレンジに塗りました
(金魚みたい・・・・イカン!言ったら
よかよかさんに沈められる前に
妻に沈められてしまう・・・)




よけいなこと言わないように
フロントパネルにロゴ入れよ~っと

マスキングテープに転写して
デザインナイフで切りだすだけで
2時間近くかかりました、ふぅ~




切って塗り、塗っては貼るを繰り返し
3色塗り重ねます




あとは主役のダイバー
最初の構想では、車の進行方向に合わせて
ダイバーの向きを入れる予定でしたが




右側は、ストーリー的に魚が
ダイバーの後を追うより、ダイバーが
魚群に向かう方がいいだろうと
急きょ反転




左側は、サンゴからすると
ダイバーが小さすぎるので
急きょ拡大することに




運転席ドアに、描かれたダイバーは
妻の渾身の作品です




納期を明日に控え、両側面が仕上がってくると
後ろ側がさみしい・・・

「よし!ニモ書こう!」
疲労困憊の妻に、またしても
ムチャぶりする原鈑

「じゃあ、土台はつくるけん」




はい、メイキング オブ ニモ
まずマスキングテープを貼り
アウトラインを転写後、カッターで切りだしたら
ベースカラーの白を塗ります

ベタっと真っ白に塗るのでなく
画像を見ながら、濃淡を意識します




白が乾いたら、その上に再びテープを貼って
オレンジの部分を、切り出します




オレンジや黄色は、隠ぺい力が弱いので
必ず白を先に塗ります

そしてその上に塗っていきます
全部ベタッと塗っても大丈夫ですが
次に塗る黒を意識して、ふちは残すように
染めていきます




次に濃いめのオレンジを塗っていきます
ここから先は、さすがにハンドピースで塗らないと
無理ですね



別の作業中の工具の音が大きいので
ボリューム気をつけて下さい




マスキングしていた、白い部分を剥いで
青で陰影をつけます



はい、これでカクレクマノミ
ディズニーではニモの完成です!

どっちがオリジナルかわからんでしょ?
この手順通りにすれば、あなたにもニモが
描けますよ~(笑)




まださみしいので、バブルを入れました




さて、納車当日の朝
早起きして、仕上げのトップコート
クリヤーを塗ります

後ろのバックドア
上のスペースがさみしいので
しゃしゃっと、差し込む光を入れました




光彩社さんに、看板の文字を入れてもらったら
完成です!



ワイパーはキャンセルして、代わりに
ツノ貝を加工して、取り付けました






運転席側


看板文字



助手席側



そりゃ~エアブラシの巨匠たちや
有名カスタムペインターの方たちには
遠くおよびませんが、限られた時間の中で
最大のパフォーマンスは、出来たものと思います

クライアントさん、お二人の笑顔が
すべての労苦を、喜びに変えて下さいます




お二人の笑顔のそばに
この車がいつも寄り添っていれば
私たちには、一番の幸いです

さあ~明るい明日に向かって
よかよか号発進です!

あっ!言い忘れましたが
その車、水中は走れませんからね~(笑)
















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 10:00Comments(5)エアブラシ塗装ブロガーさん

日曜日の事です
原鈑「あ~ブルーインパルス、見たかったなあ~
    晴れ渡った空に、編隊飛行が描いたシュプール
     最高だろうな~」

妻「何言ってんだい!時間ないのに絵まで入れるって
  調子こいて請けるから、日曜日まで仕事せにゃんたい
  変態・非行の妄想でも、頭の中に描いてろ!」




画像はMONさんの同級生からいただきました



車の右側に、テープを入れます
石鯛のシマシマ?いいえ、こんなイメージです




海中にさす、太陽の射光です
だいたいのポジションを、バランスを見ながら決めます




車の上の方は、強い光なので
輪郭がはっきり出るように、きっちりマスキング
下に行くほど、光は弱く薄くなっていきますので
ガイドラインだけを残し、長めの段ボールをあてて
光の輪郭をぼかしていきます




「おお~~!光に満ち溢れておるわ~」
妻にドヤ顔で、見せると
贈られると思った、賛辞の言葉ではなく
惨事の結果でした

「なんじゃこりゃ~~!!」
原鈑の仕事を、大笑いする妻
「これじゃただの縞模様だろ!
これだからセンスのない奴は・・・」





原鈑の手から、スプレーガンを奪うと
手直しを始めました・・・

いや、これからオリがやろうと思ったのに・・・

「ヨコシマな考えの人間には
タテシマは、無理なんだよ!」

上から妻は、太陽光線と
刺すような言葉を、浴びせてきます




その勢いのままに、お魚さんを
描き始めます






酒の肴を増やすのは、大好きな妻が
今は海の魚を増やしています(笑)




一番口径の小さい、ハンドピースガンで
影を入れていきます

陰影をつけると、立体感がグッと出てきますね




「ええ~~い、数が多すぎる!
あとはやれ!」

「ははっ!ありがたき幸せにござりまする~~」
妻から、うやうやしくガンを受け取り
影に徹する夫が、影を入れていきます





ホントだ、数が多すぎる・・・
書いているうちに、魚がアシカや
イルカっぽくなってくるではないか

「わが名はアシカ、そなた達はイルカの神か?」
青魚よこせ、健康のため・・・青魚喰う」

原鈑が妄想にふけり、にやにやしていると
背後から「だまれ!小僧!!」

モロから、いえMON(妻)からガンを取り上げられる原鈑




はい、絵としてのバランスを取るため
青魚も、たくさん入れましょう

車の前の方に行くほど、青く小さく薄くです
妻に言われれば言われるほど、原鈑の存在感は
小さく薄くなっていきます




妻がペイントした後、チェックした私は
ニヤリとし、勝ち誇ったように言い放ちました

「君の青は、破たんしている!!
光の中に、太陽が当たってない青い魚がいるし
遠くにいるはずの小さい魚が、濃すぎるではないか!」

妻がゆっくりとこちらを向き
ギロっとこちらをにらむと

「今から白入れるとこ・・・」
絶対に非を認めない妻
白が入っていく魚とは対照的に
原鈑の顔は、みるみる青に変わっていく・・・




空と海とで、青と白のシュプールが踊る・・・






  


Posted by 原田鈑金塗装  at 10:28Comments(8)塗装ブロガーさん

よかよかさんのキャラバン
まず、塗装面をすべて♯1000番相当の足付けフィルムを
掛けます





夜塗ったので、虫があちらこちらに付着してます
溶剤の匂いが、好きなんですよね~

飛んでクリヤーにくっつく、春の虫
一寸の虫も、ゴミより目立つ




車の左側は、海底のサンゴ
まずは黒を塗り、際を紫で塗っていきます




さあここからは、妻の出番です!
実際のサンゴは、一年で数ミリから
数センチしか育ちませんが、この仕事は
そんな悠長なことは言ってられません

早く育てて下さいね~~




まずは白で、アウトラインを描いていきます
お魚さんも出てきて、にぎやかになってきましたよ




もとになる写真を、見ながら
慎重かつ大胆に、スプレーしていきます




夕刻を迎え、落日の残光が
アートにスポットを当てる

「もうこれで、いいんじゃね?」
思わず口にするMONさん

いや、まだまだほど遠いようですけど・・・




妻の気分は、海底深くをさ迷っております・・・







  


Posted by 原田鈑金塗装  at 22:39Comments(3)塗装ブロガーさん
この春、巷でうわさが流れている
あの楽園珈琲が、お店を出したらしいと・・・



それはまことです!



のどかな田園風景に、すっぽり収まり
すべて手作りの内外装

どちらかというと、焙煎所に併設されたカフェ
そんな表現がぴったりくるお店

珈琲の香りに包まれて
自然体の自分に戻れる空間




室内は白と黒の楽園カラー
コンセントのカバーの、塗装のご依頼を受けました




スプレーのエアー圧で、吹き飛ばないように
テープで固定します





上の画像のように、板に並べて塗ればいいと思うでしょ?
ふふっ、そこが素人とプロの違いなんですよ

平面の上に、平面的なものを載せると
接地面が塗りにくいので、塗り残したり
逆に塗りすぎて、オーバースプレーに
なりやすいんです




ほら、ちゃんとマスキングテープの芯で
かさ上げしてから、固定します

こうすることで、壁との接地部分も
きれいに塗れるんです




♯600番程度のペーパーで、足付けした後
プライマーを塗ります

一回クリヤーを塗ってから
乾燥後、再び足付け





水性アクリル塗料を、筆で木目っぽく
すう~~っと走らせます




ダメージがある部分も、木目調なら
いい景色になりますね




筆で塗り、乾燥したら
木の質感と、奥行きを出すため
カラークリヤーを作って塗布します




木目に合わせて、均一でなく
わざと濃淡をつけて塗り重ねます




ね!木目っぽいでしょ?



ただの白いプラスチックカバーに
たちまち高級感が出てきたと思いません




仕上げに、7分つや消しのクリヤーをかけて
完成です




全部で11個!
黒い壁にお似合いかしら・・・
注文通り、シルバーが良かったりして(^_^;)




お店にある、11個のカバー
全部見つけた人には、conami ちゃんか
バスさんの、楽園キメ(木目)ポーズが見れます!

でも、あそこにもここにもあるから
ソコ(底)まで見ちゃイヤ~~ンって
言われるかな・・・




場所は、本渡市内からならスーパー太陽沿いに左折
天草空港の入り口を過ぎたら、下りきって200mほど
行ったところ、左に岩崎商店のオレンジの看板がある
道を挟んで反対側の道路右側です

楽園珈琲の、バスかバモスが停まっていたら
ほぼ営業中の可能性大

行きがけに、ビックドリームの天草バーガーや
維新之蔵さんのスイーツをゲットしていくと
ますますコーヒーが楽しめますね!




  


Posted by 原田鈑金塗装  at 00:53Comments(4)グルメ塗装楽園珈琲
よかよかチラシ
瀬戸橋のたもと、キャプテンボートを拠点に
活動をされている、ダイビングサービスよかよかさん

ハイルーフのキャラバンを購入され、インパクトのある
看板を入れたいとのご依頼を受けました




ロングサイズなうえに、背が高い!!



繁忙期のゴールデンウィークには、車が必要なので
とりあえず、ロゴだけ入れたいと言われたのに
またやってしまいました「全部塗りましょう!」
悩むよかよかさんを、強引に説得して
オールペイントに




傷がないように見えて、車って結構凹んでるんです
鈑金して、パテをつけ研磨
パネルをフラットに再現してから
下塗りのサフェーサーをします




今回は、下塗りをノンサンディングタイプにして
工期の短縮を計ります




海中に車って、時々事故で聞きますが
車に海中って話は、聞いたことないでしょ?

海中と言えば、今は耳にすることも珍しい
懐中電灯や、懐中時計

肩に担いでた頃は、携帯電話ですが
今のスマホやガラケーは、携帯より
懐中電話という方が、正しくないですか?

なに?懐からものを出す人は
少数派だから、しっくりこない?

懐中という言葉が死語!?
ならば、ずん胴なのになぜスマートホンなのだ?
スマホでなく、正しい発音はスマフォではないのか?

いけません、妄想が暴走しだしました
いつものスマートな思考に戻らねば・・・




とにかく、車のボディに海中を入れていきます
イメージを膨らませて・・・




濃い青に、徐々に白を足して上に行くほど
淡い青にしていきます




これでベースの海中は完了!
あとは魚さんや、ダイバーさん
タレントたちを、配していきますよ~


  


Posted by 原田鈑金塗装  at 11:03Comments(7)エアブラシ塗装
全世界のポルシェファンの皆様!
大変長らくお待たせいたしました

ポルシェ 356 スピードスター レプリカ
実はもうとっくに完成、納車いたしております

吟味に吟味を重ねて、導き出した色見本を
オーナーにお見せしてみた

テストピースに吹き付けられた
シルバーを、曲げたり伸ばしたり
角度を変えて凝視するオーナー

沈黙の時間が、重苦しく
原鈑の肩にのしかかる

「よし、これでいこう」
ようやく口を開いたオーナーからの
GOがでた




先に黒で塗っておいた、トランクルームはマスキングを施し
いよいよシルバーの本塗りです




いよいよシルバーに染まってゆく
ポルシェの流線型のボディ




天才デザイナー、ポルシェ博士によって
世に生み出された、絶妙かつ極限までシェイプされた曲線美は

作業する者を、恍惚の世界へと誘う




しかし、その至福の時間は、突然終わりを告げられる
現実に引き戻され、目の前の現実を突き付けられたのだ

ごくわずかに傷と、パネルのひずみが見えるのである
たぶん、一般の人の目にはわからないだろう

どうする、納期は迫っている
おそらくこのまま仕上げても、満足してもらえることは
間違いないだろう




普段の仕事では、こんなに大きな凹面のボディを
ペーパー掛けすることはない

おそらく、ペーパー掛けのスイングを
止めてしまったことによる、丸の部分の角が
数ミクロンと言う、筋として残ってしまったのだ

最近の目の粗くて、スパークするメタリックなら
隠ぺいされて、見えることはないだろうが

この目の細かいメタリックは、いっさいそれを隠さない





目の高さを、ほぼボディと水平にして
傷とひずみのあるところに、マジックでマーキングしていくと
出てくるわ出てくるわ・・・




完成まであと一歩の所で、またボディに
ペーパーをかける

削っては透かし見て、見てはまた削る

いったん塗った塗膜ととに、納期までの時間も
どんどん削られていくのだ








  

Posted by 原田鈑金塗装  at 00:07Comments(2)塗装


原鈑、今リアルに塗装中です
ブログ書いてる場合か!って怒らないで下さい

画像の白い部分が、ダメージを修復し
下塗り後、サンディングした状態です




本塗りの色は、青のパール
一回塗ると、こんな感じに



塗っては乾かし、乾かしては塗って行きます
5~6回は塗ったでしょうか

下地が完全に見えなくなる事を
色がとまると言いますが

何回塗り重ねても、下地が透けて見える色を
とまりの悪い色と言います

赤や黄色も、何回塗っても
なかなかその色に染まりません

蛍光ペンのアンダーラインで、教科書の重要ポイントに
マーキングを何回しても、下の文字は読めるのと同じです

逆に白や黒が多い、隠ぺい力のある色は、2~3回塗ると
下地が隠れてしまいます




ライトをかざして、完全に下塗りが
隠れているか、注意深く目を皿のようにして
チェックします

誰ですか!カッパのお前は目がさらじゃなくて
頭が皿だろって、ツッコミ入れてるのは!




完全に消えたように見えた下地も
ライトを当てて確認すると、下地の際が
赤い点線の中に浮き上がって見えますね




色がとまったら、色見本と比べて
大きく違っていないか、確認して
最終コートで、クリヤーを塗ります






このきれいに見える青も、原色を5~6色
ブレンドして作られています

原色だけだと、確かに鮮やかで透明性が高い
澄んだ仕上がりになるのですが、隠ぺい力がないので
塗料を何回も塗らなければならず、工程的にも
コスト的にも、ロスが多すぎ、対候性も悪くなります
だからカーメーカーも、数種類の原色をあえて
混ぜてるんですね

つまり、純粋な心の持ち主の原鈑は
隠し事が出来ず、透明性が高いので
本心が透けて見えてしまう

対して、妻のMONさんは
書道家だけに、真っ黒い墨で
心根に思っていることを、塗りつぶしてしまうのです

ニヤニヤしながら、このブログを書いていると
背後に妻の姿が・・・
いや!これはその・・・言い訳をする原鈑の顔色は
すぐに青く染まるのでした・・・

  


Posted by 原田鈑金塗装  at 10:27Comments(2)塗装



この車を仕上げるにあたって、一番重要な事
それは色を決めること

「えっ!シルバーでしょ?」って思ったアナタ!
わかってないです、全然わかってないですよ!!

世にある、シルバーに分類される車
白っぽいシルバー、赤っぽいシルバーに
青っぽいシルバー、黄色っぽいシルバー
メタリックの細かいシルバー、ギンギラギンに
目の粗いシルバー、そりゃ~~あまたの種類が
存在するのです

ハイヨー!シルバー!って簡単に言えるのは
ローン・レンジャーか、紅の豚の伊達男のカーチス
くらいなもんです!




自動車部品屋さんから、頂いたカレンダーに
シルバーのナローポルシェが写っていました

参考にはなりますが、かなり白っぽく写っています
塗料メーカーに問い合わせたところ
当時の車には、カラーコードはないとの回答
現車がない限り、想像で色を生み出すしかありません





塗料メーカーに問い合わせたところ
当時の車には、カラーコードはないとの回答

ならばと、ポルシェの車色一覧から
一番古いシルバーの、カラーコードを調べる




一番古いデータは、かなり白っぽいシルバー
だけど原色の配合データはない

二番目に古いシルバーには、データが掲載されていました
この配合データをアレンジして、一番古い色見本に合わせていく






オーナーの意向で、ちょっと青っぽいシルバー
まずデータ通り配合すると、かなり黄色っぽくて

暗めのシルバーなので、黒と黄色を抑え
すかしで青みの出る、オパールを追加





テストピースに試し塗りをして
検索したスピードスターの、数々の画像と比べてみる

あえて曲げて、ボディの形状に似せて
実車に塗った時の、イメージを膨らませる

画像は実車より、えてして青白く、明るく写るので
抑え気味にして比べてみる

テストピースを、デジカメで撮影して
感じを測る、こんなものだろうか




  


Posted by 原田鈑金塗装  at 09:45Comments(3)塗装

さあ~コアなファンが、固唾を飲んで見守っている
ポルシェ356スピードスター レプリカ 
ヴィンテージ社製の全塗装
続きでございます




ようやく塗装ブースの中に
本体が入りました





メーターまわりです

当時の車は、インスツルメントパネル(インパネ)も
ボディと同じ、スチール(鉄)製
こちらはグラスファイバーですが
今の車は、通称ダッシュボードやグローブボックス呼ばれる
ABS樹脂に、うすいスポンジに人口皮革が張られています





後輪駆動の、後部エンジンなので
ポルシェは、ボンネットの中が
トランクルームであり、ガソリンの給油口も
ここにあります




ペーパー掛けをすると、ガソリンタンクの文字が
浮かび上がってきました
「Tankauto do Brasil」そのあとの番号は
電話番号でしょうか

ブラシル?英語じゃないようです
興味がわき、スマホで検索

ブラジルの自動車部品工場でした
ポルトガル語ですね




ブースの空調設備を稼働し
エアーダスターで、車体に残ったホコリを
丹念に飛ばします

タッククロスという、松ヤニをひたした
ガーゼで、パネルを拭いたら
いよいよ下塗りの開始!




塗装の基本として、一回目の塗装は
薄~く塗る、通称「バラ吹き」と呼ばれる作業

下地の黒が透けて見えるくらいに塗ります
セメダイン等の接着剤と同じく、薄く塗った方が
密着力が上がるのと、いきなり厚く塗ると
シンナーが旧塗膜を侵し、後々のトラブルになるのを
防ぐためです




下塗りをすると、今まで隠れていた
ひび割れ(クラック)や、巣穴と呼ばれる
ピンホールが見えてきました





宇宙人にも似た、フロントマスク



キュートでセクシーなヒップ、いやテール(笑)


単一色に塗り上げると、その神々しいまでの
完璧なボディラインが見えてくる



サフェーサーを塗り終え、表面が乾かないうちに
黒をパラパラと吹きかけます

「えっ!?何してんの?黒に戻すの??」



ポルシェ 356 スピードスターレプリカの衝撃画像!!

この角度で見ると、まるでゴマフアザラシ!! 



世界の名車に、なんという暴挙をって
怒らないで下さい!今回の塗装はかつて塗った
豹柄塗装に対抗して、アザラシ塗装!!

・・・・・ではありません








まずは320番のペーパーを、スイングサンダーで
掛けていきます
黒く残っているのは、まだ掛けていないところです




このサンダー、手を水平に左右に動かす動作と
同じ動きをするので、平らにサンディングする事に
大変優れています





こちらドアですが、一見きれいにペーパー掛けされてる
ように見えるでしょ?



ところがよく見ると、研ぎ残ってるところが・・・
まわりより、ほんの数ミクロン凹んでいるんです
パネルの凹凸を、より視覚化するために
ガイドコートと呼ばれる、捨て吹きです







次に、ドライガイドコートを表面に塗り
1000番の水研ぎペーパーで、手で研ぎます








塗ったサフェーサー3kgの、半分近くは削ってしまうのかなぁ~
もったいない話ですが、良い仕上がりのためには
必要な事です



先にボンネットの内側を、艶消しの黒で塗ります



ただの黒一色だと、色に深みが出ないので
ディープブラック、ブルーブラックの黒の原色
2種類を混ぜ、すこ~し白と青みを出すために
赤を入れます

普通赤みを出すのなら、赤を足しますよね
黒だけは、補色と呼ばれる反対色が出るのです
赤の補色は青、赤みは黒に取り込まれ
反対色の青みが残る理屈です

黄色っぽくしたいときは、緑
緑っぽくしたいときは、黄色
面白いですね

好きな子の気を引くために、いたずらしちゃう
そんな感じでしょうか




トランクルームは、これで完了!
ここまでは順調でした

しかし作業は、ここから先の見えない
底なし沼に突入することになる事を
原鈑は知る由もなかった・・・

















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 08:55Comments(0)塗装

完璧に見えたボディにも、横から透かして見れば
あちこちにうねりや、ひずみがあります

そこは人間の手仕事、鉄を機械でプレスする
量産される、カーメーカーの車のようにはいきません




画像で、白っぽく張り付いた部分は
周囲より凹んでいるので、パテをつけ
サンドペーパーで研磨して、修正した部分です




黄色がパテ、ベージュに見えるのが
車体制作工程で、下塗りされた
サフェーサーの色が、研磨されて
現れた部分です




モールがはまっていた穴も、そのまま埋めると
パテが時間がたつにつれ、ヤセてしまうので
丸い穴のカタが出てしまいます

世の多くの女性が、時と共に変化する方向と逆ですね(笑)






黄色いパテの部分が、穴に詰められている状態を
横から見たところの図
赤丸の部分が、あとから丸くカタとして
出てしまいます

なので、穴のふちを削り
なだらかにへこましてやります
そうするとパテの入り方が、こんな感じに




全体、ペーパー掛けが終わったら
外せるパーツは、車体から外していきます




これでようやく、下塗りの準備完了



屋根を取り、フロントガラスも取り払うと
もはや車ではなく、マリオカートのようです




あの面影は、いづこへ
あの思い出の、江津湖へ

ごめんなさい、まじめな文章を書き続けることに
耐えられなくなってきました





これは外した、左右のドア


車体後部の、エンジンフード


裏はこんな感じです
そう、色変えなので
開閉部分の見えるところも
塗らなければいけません



パネルの裏側を塗ることを
業界用語で、裏塗りといいます

本塗り前の、サフェーサーは
下塗りといいます




つまりこれは、裏塗りの下塗り
最近では、ネイルアートの世界でも
爪の裏側を塗ることが流行ってきているそうですが

わたくし、よく妻に
「自分の指先なめてみろ!」っと
怒られます

「????」理解できない原鈑に
妻は続けます

「おまえは、ツメが甘いんだよ!!」
・・・・・・・・・詰めの甘い原鈑、このネタまだまだ
続きます




















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 17:31Comments(0)塗装


完璧に仕上がっているかに見える、漆黒のボディ
鉄ではなく、オールFRP製だ
最近の小型船舶と同じ、ガラス繊維に樹脂(レジン)で
職人の手作業で、出来上がっているため
一台一台、微妙に違うらしい




ボディの両サイドに、シルバーに光るモール
要はこれを外すだけなのだが、そこには取り付けるための
穴があけられている




内装は苓北の専門業者さんに、張り替えてもらったばかりだという
(順番が逆になったな・・・)
サンドペーパーをかけ、パテを削り
塗料を何回も吹き付ける、自分たちの仕事は
必然的に車を汚すことになる




(内装を張る前の、はがした状態でさせてもらえれば
全然楽だったのに・・・)
悔やんでもしょうがない、与えられた条件と環境で
ベストのパフォーマンスをするしかない

とりあえず作業を進める方に、ハンドルを切らないと
終わらないのだ




  


Posted by 原田鈑金塗装  at 15:26Comments(4)塗装

昨年の、数年ぶりに直撃した大きな台風被害で
仕事の段取りも組めず、見通しの立たないさなかの12月

フォーマルなコートの襟を立て、黒の革手袋という
うちの工場では、あまりお目にかからないいでたちの男は
突然に現れた

お得意様から頂いた仕事が、彼の奥さんの車で
その仕上がりが、偉く気に入って頂けたようで
自分の愛車も、塗って欲しいとのこと

「ついてきてくれ」男はそう短く言うと
車を本渡市内へ走らせた
初めて走る道は、とある家のガレージの前で
車を停め、ボタンを押すと
電動でシャッターが開き始めた





「こ、この車は!?」戸惑う原鈑に、男はガレージ内に
声を響かせながら答える「ポルシェ356スピードスター
レプリカだけどな」

「ジェームス・ディーンが事故死した愛車ですね」
今でしょ!の林先生ぶりの博識を披露して
ドヤ顔の原鈑の言葉が、終わるか終らないうちに
男は眉を少しひそめて、言葉を重ねる

「それは550 スパイダー、356は事故を起こす
10日前に手放している」原鈑、口を閉ざし
二の句も出ないのを確認すると、男は続けた

「レプリカというのは、エンジンとシャーシは
ワーゲンビートルで、それにグラスファイバーの
ポルシェのボディを被せてあるんだ




そんなジャンルの車があるとは、まるで知りもしなかった
目の前には、特徴的な流線型の滑らかに丸みを帯びた黒い車

そしてこのガレージの中、その筋の男の夢を
まさに具現化している空間だ




その圧倒的な空気感に、戸惑っている原鈑に
男は言葉を続けた

「この車のモールを取って、穴埋めして塗って欲しい」
そう言われたものの、大きな問題があることに気が付いた
この車、パネルの継ぎ目がないのだ

普通は、車の前部は、ボンネットと左右のフェンダー
パネル3枚で構成されている

しかしこの車は、左右のフェンダーが前後とも
一体化しているのだ

モールの穴埋めをして、塗るとしたら
塗らないパネルは、後ろのエンジンフードと
ボンネットのみ!!

ゆくゆくは、ポルシェシルバーに塗り替えたいと言う
オーナーに、原鈑は言ってしまうのだった

「もう全塗装されたらどうですか?」
しかしその言葉が、ゆくゆくは原鈑自身を
塗装の泥沼へと導くことになる

年が明け、数十年ぶりの大雪が溶けきるのを
待ちきれないかのように、356はやってきた




目にした誰もが、「この車ナニ??」
この車なんで塗るの?」そう口にする




そう、この車は明らかに完成されている
これからまた、手を入れるなんて
誰もが理解しがたいだろう

それでも、オーナーの理想に近づくため
やらなければならないのだ
もう後戻りはできない

バックギヤのない仕事が始まる
行く先は称賛のゴールか
それとも、破滅の谷への疾走か・・・




覚悟を決めて、部品を取り外す
一つの部品が、何万、あるいは何十万
いや、モノによってはもう手に入らないものもある
失敗の許されない作業が続く

先の見えない、霧の中へ
どんどん突き進むのだった・・・






















  


Posted by 原田鈑金塗装  at 02:07Comments(4)塗装

2015年12月15日

色における深みとは

25年近くこの仕事をしておりますと
車体の塗装以外にも、いろんなものを塗って欲しいと
依頼があるものです

たとえば内装の塗装→コチラ


ステアリング(ハンドル)なんかも塗りました
そして今回は、シフトレバーの頭




左の薄い色の方を、右の濃い色に合わせて欲しいという
お客様のご要望です

似たような色になればよいという事でしたが
せっかくの木目、活かさないのはもったいないですよね

木目を消さずに、色を濃くする方法
そんな事できるの?できます!!







まず1000番のペーパーで、塗装面を足付けします




パールホワイトのパールは、透明な樹脂の中に少し入れて
吹き付け塗装をするのですが、今回は樹脂の中に
こげ茶色の原色を、少~~し落とします






これを焦らずじっくり、何回も何回も乾かしちゃあ塗り
塗っては乾かしを、10数回繰り返します

硬化剤が入っていない塗料なので、ある程度塗り重ねたら
一回、クリヤーをかけて、乾燥・硬化させます





まだまだ目指す色より、全然薄いですね
もう少し、こげ茶の原色の割合を増やして
再び塗り重ねます





そして再び、クリヤーを吹きます
たいぶ近づいてきましたね




再度、原色の割合を増やし
じっくりと色を重ねていきます

厚塗りして、早く色を出したいのはやまやまですが
奥さん!お化粧と同じで
仕上がりが良くなりませんよ




さあ~目指す色合いに到達したら
仕上げの最終クリヤーです




色に深みが出て、元の雰囲気が出ていると思いませんか?


前の画像と比べると、一目瞭然
狙い通りの仕上がりに、うっとりしながら
シフトレバーを眺めていると

後ろから妻が、「次の仕事をサッサとする!
人間としては、いっちょん深みがでんね」

原鈑をいっきに深みに落とし入れる一言
原鈑の気持ちは、トップギアからローへ

一気にシフトチェンジされるのであった

シフトレバーだけに・・・
  


Posted by 原田鈑金塗装  at 17:45Comments(3)塗装

2015年11月15日

落ちて流れる河童猿



これ、わたくしの着用していたツナギです
ほう、オヤジの汁は黒いのかって
そんなわけはありません




猿も木から落ちる、河童の川流れ
原鈑、最近にはない大失敗をしました
いえ、結果的には大失態です




台風発生から、ほぼ3か月近くが過ぎ
被害がひどい車の修理も、あと少しになりました

こちらは軽自動車の天井
小さい小さい傷があり、塗膜を削り
鉄板をだし、サビを除去した後です




車の側面も、ぐるりと傷があり
ほぼ全塗装状態

天井を塗装するときは、脚立を上ったり下りたり
塗っては乾かし、乾かしては塗るを
ベースの色からクリヤーまで、10回近く
繰り返します




原鈑、高いところは
割と好きなんですよ
20代の写真を見てみると
よく過ちを起こさなかったなあ~って
写真がボロボロ出てきました、海の岸壁サスペンス編




親が見たら、卒倒したかもしれません



徳島の小便岩、旅人が度胸試しで
この岩の上から、谷底へオシッコをしたところです

当然、・・・・・・・・・・・・しました(笑)




しかし、魔の刻というものは
突然思いがけず訪れるものなのです

左手に塗装スプレー、右手に下色が完全に消えてるのか
確認するためのライトを持った状態で

さて降りようかと思った瞬間、後ろへ何かに引っ張られるように
真っ逆さまに脚立の上から落ちたのです

反射神経には自信がある自分が、両手がふさがっていたとはいえ
何の受け身も取れず、無防備な後頭部をさらけ出したまま

固いコンクリーに打ち付けられる!
最悪、死をも覚悟した瞬間
塗装室の壁に、頭が当たり
幸いにしてショックは吸収され
背中から床にもんどり落ちました




その結果が、飛散した黒い塗料と
粉々に砕け散ったライト

塗料はツナギの上半身と、顔の左半身を染め
原鈑の顔は、キカイダーかあしゅら男爵です






塗り上げて、完成したはずの車の側面にも
飛沫した塗料が付着しています

突然、わが身に起きた不幸を呪いました
顔の塗料をふき、塗り上げた車の
側面を拭き上げ
何とか元通りにすると、体のチェックです

首は少し痛いかな~程度
右ひじは、しこたま打ちましたが
曲げ伸ばしはできます

すると、えも言われぬ幸福感が
腹の底から湧きあがり、全身を包んだのです





「オレは五体満足で生きてる!
車だって、ちょっとした塗り直しで
元通りになるし、ライトが壊れたぐらいで済んだ」

「きっと仕事が続いて、注意力が緩慢になっているのを
神様が教えて下さったんだ!落ちてよかった~~!」

たまには、「マスク」じゃなく、塗料を被るのもいいもの・・・かな?



  


Posted by 原田鈑金塗装  at 22:06Comments(7)塗装日々の出来事

2015年05月20日

なだ? そう、そう

先日、おいまつ商店さんにスクープされた
天草洋 様の送迎用マイクロバス

天草洋1
元請けは、地元の整備工場様でしたが
ご縁あって、わが工場へ



買い替えるにはもったいないけど
浮き出てきたサビや、凹みが気になるので
全塗装してくれとのご依頼です




側面に張られている、ストライプステッカーは
はがしてもいいし、マスキングして
そのまま残してもいいとのこと




色はどんな色で?と尋ねると、おんなじ色でいいという回答
それを聞いた原鈑、悪いクセが出てしまいました

「せっかく全塗装するんだから、違うカラーリングにしましょう!」
黙って言われた通りの仕事をしていれば、楽なんです・・・

でも、それじゃ~仕事にやりがいがイマイチなく
楽しくない




まずサビを落とし、凹んだ部分は鈑金して
パテを塗り、削って元のラインを復元します




看板の文字は、今はカッテングシートが主流です
このマイクロバスは、今は懐かしい「手書き」の文字でした
消すのも楽なもんです




バンパーやミラーなど、主だった部品は外して塗ります



天井部分は、全面に細かいサビが出ていたので
鉄板が出るまで、総剥離です

頭部分が、ピッカピカ!この作業が一番手が入ります




サフェーサーと呼ばれる下塗りをして
それを研磨した状態

グレーの部分がサフェーサーです





バスの上の方の作業のため、バスの横に
高所作業用の、足場も組んであります

元の色は、ベージュでしたが
今回のベースの色は、ほぼ白です




一晩放置した後、塗装面にマスキングテープを貼ります
黄色い部分が貼ったところです




はい、面倒なところはMONさんの出番です
わが社では、適材適所をモットーとしております




「黙って言われた通りに塗装していれば
もう終わっていたのに・・・」
画像からMONさんのつぶやきが聞こえそう・・・

まあまあ、コーヒーでも飲んで
気張って下さい




マスキングテープに、下絵を描き終わったら
今度は、塗装する部分をカッターで切り出します




この画像から、波が見えてきますか?



ここまでの作業で、まるまる二日
朝から深夜までの作業です

「こんだけ奉仕させたんだ、追加料金は
もらえるんだろうね?




塗装されたかのように、みるみる原鈑の顔が
青に変わる・・・

言えない、追加料金はいらないって
お客さんに伝えたことなんて・・・

ここで、大問題が発生!!
急に宴会が入り、当初の予定より
4日間ほど、早く仕上げてくれと
泣きたくなるような、要望が~




切り出した部分に、ネイビーブルーを
吹き付けます

原鈑は、波の上に行くほど
水色になるグラジュエーションを主張しましたが
単色を主張するMONさんに勝てませんでした・・・




この波の部分の、マスキングテープをはがすだけで
2時間かかりました~~





本来なら、看板屋さんに依頼する文字も
経費節減のため、塗ることにしました

江戸勘亭流という書体がイメージに一番ぴったりなので
それをチョイス


ん!?ちょっと待ってMONさん
その天草の「草」、おしゃれすぎて読めなくない?
ただでさえ、あまくさなだ(天草洋)って
お客さん読めないのに!

完成まであと少しで、ヘトヘトのMONさん
原鈑をキッとにらむと

「フォントの文字がこれなんだし
こっちの方がおしゃれでしょうが!!」




いやでも、看板はお客さんが読みやすく
あるべきで・・・妻の迫力に
言葉を飲み込み、二度目の敗北に
原鈑のハートも、黒く染まります・・・




お手上げならぬ、部品下げ~~
吊られた状態で、なす術ありません・・・




こちらがお客様に提案した、イメージ図

海鮮和食のお店、あまくさなだ(天草洋)という店名
慶事の送迎もあるので、あまり派手になり過ぎない
それでいてインパクトのあるカラーリング




こちらが
完成した姿
前後のバンパーも、青に塗装しました





MONさん作、渾身の波
そして疑惑の「草」・・・




ちょっと昭和ティストを感じさせ
演歌っぽい仕上がりにしてみました

このバスの運転手さん、長淵剛の大ファンだそうで
夏には、仲間を乗せてこのバスで
富士山のコンサートに行くんだと
話していらっしゃいました






このマイクロバス、後日談があるのですが
それは、現在の本物を見ればわかりますよ





あまくさ なだ? そう そう


天草洋



  


Posted by 原田鈑金塗装  at 17:01Comments(16)エアブラシ塗装
皆さん!ご無沙汰してました~~
わたくしこと原鈑、恥ずかしながら帰ってまいりました

「ダレダ? ダレダ? ダレダ~~!?」って
ガッチャマンのオープニングの歌、歌わないで下さいね

毎日、妄想しながらブログは書いているんですよ!
自分の頭の中では・・・・

しかし今日こそは文字にせねばと、さーっと書きますね!




これ、なんだかわかります?
愛妻、MONさんの一部のアップ!??

違いますって!今から塗る車の塗料を
調合し終えたアップです

それを容器ごとくるくる回すと・・・




比重の差で、面白い紋様が浮き上がります!
前後左右にゆすると、非常に趣きがある景色になるんです




「う~~ん、いい仕事してますね~~!」
逆ですね、仕事さっさとしろよって話です

カフェ・ラテみたいな模様出来ないかな~などと考えながら
混ぜていると、子供の頃に刻み込まれた
ある風景が浮かんだのです




この画像で分かった方、お仲間さんか同年代です

そうここから、こう変わります




そう、日本が世界に誇る
特撮技術の先駆者、円谷プロの最初の代表作

ウルトラQ

「ウルトラシリーズ」、のちのウルトラマンシリーズです





よくそのシリーズには、戦闘機が登場するのですが
画像は、ウルトラセブンに出てくる「ウルトラスカイホーク1号」

初期の頃は、飛行機の模型を糸で吊るして
飛行シーンを撮影していましたが、どうにも吊るしている糸が気になる

当時の純粋な少年たちには、どう見ても飛んでいるようにしか
見えませんでしたが・・・

そこで「逆転の発想」飛行機を下から棒で支えて
飛んでいるように撮影したのです

人間の心理として、吊っている糸は気になっても
飛行機の下の棒には、気が付かないんですね!

そういえば、何回も貼ったりはがしたりできる
マスキングテープも、くっつきの悪い大失敗の接着剤を
逆転の発想から、大ヒット商品に換えちゃったんですよ!

そんな事を考え、ニヤニヤしながら塗料の入ったカップを
クルクル回している原鈑に

車のマスキングを終え、塗装ブースから出てきたMONさんが
一喝、「塗料であそんどらんで、はよ塗らんか~~い!!」

「ひっ!」そんなにいつも、夫を吊し上げてないで
たまには「持ち上げて」下さいよ!円谷プロみたいに・・・



  


Posted by 原田鈑金塗装  at 16:04Comments(9)塗装日々の出来事テレビ、アニメ、漫画

2014年01月30日

ボンネット塗ってます



今週中までの、納車がたてこんでます

ただ今、塗装中♪

塗装は、塗って乾かし
塗って乾かしの、連続です

今日は、暖かいので
暖房を入れずに、塗ったら
乾きが悪いので、待ち時間に
ちょっとアップしました

新年からの、出来事が記事に出来ず
どんどんネタが、古くなってしまいます

さぁ~頑張ろう!!
仕事もブログも♪  

Posted by 原田鈑金塗装  at 14:29Comments(7)塗装