2013年06月09日

八千八声

何の前触れもなく、深い眠りから解き放たれて
目が覚めたのは、漆黒の闇・・・

まがまがしいまでの黒々とした空間に
目を開いていないのではないかと、カン違いするほどだった

携帯は、深夜を表示していた
やれやれ、とんだ時間に睡魔から放り出されたもんだ

とその時だ!深夜の闇を切り裂く
獣の大絶叫!それが頭の上を鳴きながら通過して行ったのである

激しく上昇した心拍音を抑えつつ、男はつぶやいた
「ホトトギスか・・・」


鳴き声


幼子の頃、夜遅くまで起きていると
親御さんに、なんて言われましたか?

本町のかんじゃま(表記は梶山・・・なぜ発音はかんじゃま?)出身の義母は
「あもんじょ」が来るぞ!とか「よごえはっちょう」が来るぞ~っと
子供たちに言っておりました

最近になって、「よごえはっちょう」は
夜の話し声は、八町先まで聞こえる「夜声八町」から
来ているのだと知りましたが
ホトトギスの夜泣きは、まさに子供にとっては
妖怪の叫びに聞こえたかもしれません


カッコウの仲間で、ウグイスと共に
初音として、その初鳴きを古来より愛でられていました

自分で子育てをせず、ウグイスなどの他の鳥の巣に
自分の卵を産み付け、育てさせる
いわゆる「托卵」する鳥のため
他の鳥より少し遅れて、インドや中国南部から
渡ってきます

《遠野物語》より
姉妹がいました。
ある日、姉が芋を焼き、まわりの堅いところは自分が食べ
中の柔らかい部分を妹に食べさせました。
しかし妹は、姉がさきにおいしいところを食べたと思
、姉を包丁で殺してしまいました。姉はカッコウになり
「ガンコ、ガンコ(堅いという方言)」と鳴いて飛び去りました。

妹は自分の誤ちを知って後悔し、ホトトギスになり
「包丁欠けた 包丁欠けた」と鳴いています。

姉殺しの報いで、一日八千八回
血が出るまで、大声で泣かなければいけず
自分の子供も、育てたらいけないのだとか・・・

盛岡の一地方では、いまもホトトギスのことを
「包丁かけ」と呼んでいるとか。

ちなみに義母は、「たっちゃん炊けたか?」と
鳴いていると教えられたそうです

その土地、その土地で
民話も、鳴き方も違うようです

あなたのお住まいや、故郷ではどうでしたか?

ちなみに原鈑は、夜寝ないと
「山から、やまんばが来るぞ!」と言われました
そんな事を言って寝かせるから
夜中にトイレに行くたびに、子供から
「一緒について来て!」と起こされちゃうんですよね

成長ホルモンが出る時間帯に
子供を眠りにつかせたいなら、お化けや妖怪が来ると
おどして、眠りにつかせるより

「魔法の馬車に乗り遅れるよ」とか
「素敵な夢が見れなくなるよ」などと
楽しい気分にさせるような、言葉かけがいいらしいですよ






  


Posted by 原田鈑金塗装  at 20:52Comments(9)自然