2015年05月20日

なだ? そう、そう

先日、おいまつ商店さんにスクープされた
天草洋 様の送迎用マイクロバス

天草洋1
元請けは、地元の整備工場様でしたが
ご縁あって、わが工場へ



買い替えるにはもったいないけど
浮き出てきたサビや、凹みが気になるので
全塗装してくれとのご依頼です




側面に張られている、ストライプステッカーは
はがしてもいいし、マスキングして
そのまま残してもいいとのこと




色はどんな色で?と尋ねると、おんなじ色でいいという回答
それを聞いた原鈑、悪いクセが出てしまいました

「せっかく全塗装するんだから、違うカラーリングにしましょう!」
黙って言われた通りの仕事をしていれば、楽なんです・・・

でも、それじゃ~仕事にやりがいがイマイチなく
楽しくない




まずサビを落とし、凹んだ部分は鈑金して
パテを塗り、削って元のラインを復元します




看板の文字は、今はカッテングシートが主流です
このマイクロバスは、今は懐かしい「手書き」の文字でした
消すのも楽なもんです




バンパーやミラーなど、主だった部品は外して塗ります



天井部分は、全面に細かいサビが出ていたので
鉄板が出るまで、総剥離です

頭部分が、ピッカピカ!この作業が一番手が入ります




サフェーサーと呼ばれる下塗りをして
それを研磨した状態

グレーの部分がサフェーサーです





バスの上の方の作業のため、バスの横に
高所作業用の、足場も組んであります

元の色は、ベージュでしたが
今回のベースの色は、ほぼ白です




一晩放置した後、塗装面にマスキングテープを貼ります
黄色い部分が貼ったところです




はい、面倒なところはMONさんの出番です
わが社では、適材適所をモットーとしております




「黙って言われた通りに塗装していれば
もう終わっていたのに・・・」
画像からMONさんのつぶやきが聞こえそう・・・

まあまあ、コーヒーでも飲んで
気張って下さい




マスキングテープに、下絵を描き終わったら
今度は、塗装する部分をカッターで切り出します




この画像から、波が見えてきますか?



ここまでの作業で、まるまる二日
朝から深夜までの作業です

「こんだけ奉仕させたんだ、追加料金は
もらえるんだろうね?




塗装されたかのように、みるみる原鈑の顔が
青に変わる・・・

言えない、追加料金はいらないって
お客さんに伝えたことなんて・・・

ここで、大問題が発生!!
急に宴会が入り、当初の予定より
4日間ほど、早く仕上げてくれと
泣きたくなるような、要望が~




切り出した部分に、ネイビーブルーを
吹き付けます

原鈑は、波の上に行くほど
水色になるグラジュエーションを主張しましたが
単色を主張するMONさんに勝てませんでした・・・




この波の部分の、マスキングテープをはがすだけで
2時間かかりました~~





本来なら、看板屋さんに依頼する文字も
経費節減のため、塗ることにしました

江戸勘亭流という書体がイメージに一番ぴったりなので
それをチョイス


ん!?ちょっと待ってMONさん
その天草の「草」、おしゃれすぎて読めなくない?
ただでさえ、あまくさなだ(天草洋)って
お客さん読めないのに!

完成まであと少しで、ヘトヘトのMONさん
原鈑をキッとにらむと

「フォントの文字がこれなんだし
こっちの方がおしゃれでしょうが!!」




いやでも、看板はお客さんが読みやすく
あるべきで・・・妻の迫力に
言葉を飲み込み、二度目の敗北に
原鈑のハートも、黒く染まります・・・




お手上げならぬ、部品下げ~~
吊られた状態で、なす術ありません・・・




こちらがお客様に提案した、イメージ図

海鮮和食のお店、あまくさなだ(天草洋)という店名
慶事の送迎もあるので、あまり派手になり過ぎない
それでいてインパクトのあるカラーリング




こちらが
完成した姿
前後のバンパーも、青に塗装しました





MONさん作、渾身の波
そして疑惑の「草」・・・




ちょっと昭和ティストを感じさせ
演歌っぽい仕上がりにしてみました

このバスの運転手さん、長淵剛の大ファンだそうで
夏には、仲間を乗せてこのバスで
富士山のコンサートに行くんだと
話していらっしゃいました






このマイクロバス、後日談があるのですが
それは、現在の本物を見ればわかりますよ





あまくさ なだ? そう そう


天草洋



  


Posted by 原田鈑金塗装  at 17:01Comments(16)エアブラシ塗装