2019年05月05日

妻との別離

まったく起こり得ない事とは
思っていました。

そうならないために、人並み以上に
愛情を注ぎ続け、愛を育んで来たつもり
でした……。



妻との別離、ついにその日が
絶対に回避できない、現実として
原鈑の眼前に、突き付けられるのです。

空港へ向かう、車のハンドルを
握っているのは、義理の弟

誰も口を開こうとしない車内は
3人の体を座席のシートに
押さえ込むかのように、重い空気が満ちている。

「ご飯でも食べませんか?」
あまりの息苦しさに、義弟が口を開く。

「そ、そうだな…」妻が口を開かないことを
いち早く察して、ノド奥からようやく
絞り出して言う


「お待ちどう様でした」
何も事情を知らない、店員さんの声が
原鈑のカラッポになった、胸に響く

無言のテーブルに、とんこつラーメンのどんぶりが3つ

中の具材に、視線を泳がせると
2人の出逢いの時、空回りしてた自分の姿

こんな俺でも主役になれるのかと
迎えた結婚式

死ぬかと思うほど、感動した
長女の出産、子供たちの成長に
時には静観、時には過剰に入り込みすぎて
妻と子から、あきれられた事が
ストーリーのように心のモニターを
彩って行く


「さあ、熱いうちに食べましょう」
義弟の声に、ハッとしてあわてて
麺を口に運ぶ


新潟行きの出発ゲートが、2人の絆を断ち切る
断頭台のようだ。

ゲートまさに潜らんとするときに
原鈑の心根に沈めていた感情が
マグマのように噴き出した。

「考え直さないか‼️」
原鈑はクルリと後ろを振り向くと
人生のすべてをかけて、愛した妻は
すでに背を向け、空港のドアの扉を開け
彼女が目指す、書の道へ
まっすぐ進んで行った。


後から後から、とどめなく押し寄せる
堪えられるわけもなく、それでも抵抗し

嗚咽する顔を、機内の窓に押し付ける
日本海の藍色が、人々の悲しみを集め
いつも以上に濃くなって眼下に広がっていた。


同じカテゴリー(おでかけ)の記事画像
お笑いの王国、大阪でスケート大会
令和で一番長い日
妻は書の道、原鈑は故郷への道
熊長連合、防長を行く
戦々京々
滋賀と言えば琵琶湖
同じカテゴリー(おでかけ)の記事
 お笑いの王国、大阪でスケート大会 (2019-11-02 11:50)
 令和で一番長い日 (2019-07-17 09:47)
 妻は書の道、原鈑は故郷への道 (2019-05-05 22:22)
 熊長連合、防長を行く (2019-05-02 17:30)
 戦々京々 (2018-08-16 11:30)
 滋賀と言えば琵琶湖 (2018-08-14 07:36)

Posted by 原田鈑金塗装  at 14:20 │Comments(2)おでかけ

この記事へのコメント
体臭猿撃に一緒に行きました~❗️
Posted by ナンプー at 2019年05月06日 01:57
ナンプー 様
なるほど!演劇を猿撃と変換ですか~って
この記事にそのコメント!??

妻がお世話になりました~ヽ(^。^)ノ
Posted by 原田鈑金塗装原田鈑金塗装 at 2019年05月06日 10:12
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。