2013年04月14日

ストロベリーナイト

「どうも~イチゴでーす」

「わてもイチゴでーす」

「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」


「ややこしいな・・・アンタ、なまえ変えなさい」

「ほな、りんごちゃんかレモンにしまひょか?」

「それはアカンやろ~、アンタ生け花もせんし
お菓子も作らん、ピアス作りもせんでしょうが」




「それはそうと、わしら昔はどこの庭にも植えてあって
朝起きたら、イチゴつんでこーいって、オカンに言われて朝ごはんに食べてたやろ?」

「それがどないしたん?昔は採ってきたやつを『ママレモン』で洗いよったで~」
「え~~!!うちらイチゴなのにママ、レモンでーー!!」


「驚くとこ、そこ?・・・、昔のイチゴいうたら小っちゃくて
甘くないから、冷蔵庫から牛のマークの缶詰に入った
練乳を、オカンが二か所開けた穴の反対から、ぷうーって息を吹きこんでイチゴにかけてくれよったわ」

「上に砂糖のせて、牛乳かけた後スプーンでイチゴつぶしても食べたな~、最後にお皿に残ったイチゴの味がする甘い牛乳が楽しみでな~、それ専用の底の平べったい、つぶつぶのついてるスプーンまであったんやで~」



「それにしても
あんさんの顔、えらいブツブツやな~」






「ブツブツ言うな!わしらのイメージわるうなるやろ、つぶつぶと言わんかい!!」

「そんな怒らんでもええやん・・・・まったく・・・もう・・・」

「まだブツブツ言うとる・・・」



「このブツブツ・・・いやつぶつぶは
わしらのチャームポイントやで!
これがなくなって、お肌ツルツルになったらな
プチトマトと区別がつかなくなるやろ~!!
ケーキの上に、プチトマト乗せたとこ想像できるか!?」

「うっ!さすがにそれは・・・うちら野菜ちゃうしな」




「おっと!それがわしらイチゴも
本当はれっきとした野菜なのだよ」
「まじか!?」
「スイカやメロン、パイナップルと同じで一年で枯れてしまう
一年草から収穫できるものは、園芸的には野菜なのだよ」

「ただ調理を必要とせず、それだけで食せる糖度を持つ
われらは、流通上は果実に分類されるのだよ」



「ほ~名字を変えずに磯野家に同居してはる
フグ田マスオさんみたいなもんでっしゃろか?」


「たとえが微妙だが、そんなとこだ」



「ついでにわれらの顔のつぶつぶだが
これは実であり、種子なのだよ」


「実の中でなく、表皮に種子がはり付いているという
数少ない種族なのだ!」





「え~~!?このブツブツひとつひとつがタネ~?
こっから芽が出てる奴なんて、見た事ありまへんで~
放置されて、くさるかカビの生えたやつなら知ってますけどな~」






「ふっふっふっふ・・・衝撃の事実を知って
驚くがいい!一粒一粒から発芽したわれらの姿を!!」








「ぎぃや~~見たくなーい!!」






「うちら・・・こんなん・・・なるん?」

「可憐でキュートなわてらが・・・」






「あ~心配せんでもええよ、土に埋めたり
相当な条件がそろわんと、芽は出てこんさかい」







「今回はわりと勉強になったな、ひょっとしてまた出演依頼があるかもしれへんで」
「いや、それはない・・・わしらの出演はこれっきりや」
「どないして?」

「イチゴだけに・・・『一期一会』やねん・・・」


※おことわり
今回のブログは「四郎の館 Kさん」の手法を
パクっておりますm(__)m

自己申告いたしましたので、「かたらんな見守り隊」
隊長のオニのトシゾーさん、原鈑をお見逃しくだされ  


Posted by 原田鈑金塗装  at 02:32Comments(5)原鈑劇場